ライフサイエンスニュースレター vol.1
インフォコムではライフサイエンス関連の注目論文をメールにてお届けしております。本コラムでは過去に配信したニュースレターを掲載いたします。最新版のメール配信をご希望される方はお問い合わせフォームからご用命ください。
INDEX
QSARを用いたバーチャルスクリーニングワークフロー
Title
Virtual screening of dipeptidyl peptidase-4 inhibitors using quantitative structure–activity relationship-based artificial intelligence and molecular docking of hit compounds
ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害剤は、2型糖尿病の治療に不可欠な薬剤となっていますが、その中には関節痛や膵炎などの副作用を示すクラスがあります。これらの副作用は、DPP-8やDPP-9の二次的阻害が関与している可能性が示唆されています。本研究では、人工知能に基づく定量的構造活性相関(QSAR)を用いたバーチャルスクリーニングワークフローを構築し、スクリーニングを可能にすることでDPP-8とDPP-9に対して選択的なDPP-4阻害剤のヒット化合物を同定しました。
バーチャルスクリーニングワークフローとしてKNIMEが採用されています。
KNIMEを用いた予測モデル構築のデータ収集
Title
Novel computational models offer alternatives to animal testing for assessing eye irritation and corrosion potential of chemicals
点眼薬をはじめ眼に関連する化合物の開発では動物実験を削減する新しいアプローチ法が求められています。本研究では新しいアプローチの1つとして刺激性および腐食性試験化合物のデータセットを収集し、化合物の眼刺激性および腐食性を確実に評価できるQSARの構築と検証を実施しました。このデータ収集にKNIMEが利用されています。
マウスにおける4-メチルイミダゾールの遺伝毒性ポテンシャルの評価
Title
A weight of evidence assessment of the genotoxic potential of 4-methylimidazole as a possible mode of action for the formation of lung tumors in exposed mice
4-メチルイミダゾール(4-MeI)は、多くの調理された食品に含まれます。2011年、国際がん研究機関は、4-MeIをヒトに対して発がん性がある可能性があるグループ2Bに分類しました。4-MeIの遺伝毒性とその作用機序の妥当性を評価するために専門家委員会が作られweight-of-evidence (WOE)のアプローチを定義しレビューと分類を行った結果、WOEは4-MeIのin vivo遺伝毒性を明確に示す証拠はなく,マウス肺腫瘍の形成における遺伝毒性作用機序の関連もないと結論づけました。
毒性情報の収集のために、PubMed、TOXLINEと並んでToxPlanetが利用されています。
関連製品のご紹介
・ワークフロー型データ分析プラットフォーム『KNIME』
・毒性情報検索システム『ToxPlanet』